翻訳新訳誤訳に妙訳

全然読んだこともない者がこんなん言うんも門外漢そのものですが。

言葉に関わってる一人としては気になるニュースでした。


スタンダールの「赤と黒」の新訳をめぐって対立が起こっています。
「誤訳博覧会」というスタンダール専門家に対し、「些細な論争」と返す編集者。

なるほど。専門家は、慣用句にもなっている単語を別の意味に訳しているなどずさんな訳を指摘していて、編集者は、読者の大半からは文章に好評であるし、文句があるなら自分で訳してはどうですかという意見だそうです。

気にかかったんは、編集者の反対意見です。「読者の大半は好意的」は専門家に対する反対理由になっていない気がするんです。この新訳は、名著クラシック作品を新しく訳して、今まで知らない読者層を開拓しようというもとでシリーズ化されたもののひとつなんですが、これを読んでいる人のなかで、今までの訳を読んだことがある人が大半なんでしょうか。もっと意地悪く言えば、その中で原文を読んだことがある人はどれくらいでしょうか。

「好意的」なのは、読者層で始めて読んだ人が「読みやすかった」からであって、訳が正確で、作者独自の世界を垣間見れたということではないと思うんです。そして、それだから些細なことと片付けてしまうのは惜しいわけですわなあ。

翻訳は難しいことやと思います。ドイツで通訳かぶれのお手伝いもしたことがありますが、どうしても「わかりやすい日本語」で表せないこともあるんです。言葉は文化を反映しています。だから、やたら読みやすくて日本人に共感できるものを追い求めると、その作者の世界・作者の言葉の文化・価値観がうすくなっていく気がするんです。

専門家が言うように絶版しろとは言いませんけど、編集者はもうちょっと聞く耳を持ってもいいんちゃうかなと思います。だって、本は改訂できるんですもの。

ひとつの言葉を別の言葉に訳すと、訳者の自身の世界観も当然入り込んでくるわけです。そこが、難しいところですね。何を、「いい訳」と言うか。


でもやっぱり、言葉に「些細な」問題なんてないと思いますね。
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# by walkie-talkie | 2008-06-08 20:28 | see / sehen  

あれも文化これも文化

最近気になってる番組があります。

あの、地元にしかない食べ物や言葉や習慣を紹介しちゃうっていうバラエティー番組。巷ではなかなか体験できない、地域限定の文化をおおいに紹介しようじゃないか、という趣旨の番組です。ゴールデンタイムだということもあり、けっこうな人気だそうです。

はじめてこの番組のことを知ったとき、「おお画期的!!」と感激しました。だって、いいじゃないですか、地域性。文化ってひとつの国のなかにもいっぱいですやん。


でも。最近「おや?」と思い始めてきています。

なんか、番組の演出というか、出演者のコメントというかが、どうもひっかかってしまうんです。

「○○にしかない仰天の料理。」「大阪では○○を絶対にする。」「信じられない○○」

ときたところで出演者は口々にこう言うんです。

「エエーー。」「アリエナーイ。」「イヤゼッタイオカシイー。」


一部、地元愛の強い芸能人が「オカシイ」と言われたことに論を返しています。けれどもやっぱり感じてしまうんです。東京が中心。何かひとつの普通の標準から離れたものがこの世にはあるんですよ。知っていましたか。というように。

今は、別に東京嫌いとか地元がやっぱりいいって主張してるんじゃありません。けども、せっかくいろんな地域の文化があるのに、「エエーアリエナーイ」で終わってしまっているのが何とも残念なんです。

「仰天」って、その地域の人からすれば、子どもの頃から親しんだ普通のあれこれなんじゃないんでしょうか。ひとつの言葉が正しいか正しくないかなんか何を持って言えるんでしょうか。大阪の年配女性全員が誰かれかまわず他人に話しかけてるわけではありません。

どうも、「アリエナイ」ものが世間ではたくさんあって、それは「普通」からすると「オカシ」くて、「エエー」って言いたくなるものばかりって言いたいようにしか聞こえんのです。

なんか、かえってその地方の先入観が増えそうな気がします。

かくいう僕はこの番組を常には見てないので、大いに「先入観」かもしれませんね。


ええやんか、なんでもあったら。
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# by walkie-talkie | 2008-05-24 01:34 | think / denken  

マニュアル

相次ぐ列車事故をうけて、JR西日本では列車運転マニュアルを2倍近くに増量、「さらなる安全管理に努めている」。制限速度を記した標識を以前より短い距離で増設、運転手はそれらを通過するたびに声に出して確認している。
4月24日NHKニュース9より

その結果。

運転手は1分間に15回も声だし確認をすることになり、「マニュアルを守って声だし確認しなければならず、それに気をとられ結局ブレーキが踏めなくなる」「目的が声だしになっている」そうです。

マニュアルを細かくすれば、安全って作れるんでしょうか。


最近の話。有名チェーン店で昼ごはんを食べました。注文してからお金を払っておつりをもらうまで、店員は私のほうを一度も見ませんでした。「ありがとうございました。」を次のお客さんに向かって叫んでいました。ある時は、私が注文したものが時間かかっていたらしく、できあがって渡してくれる段になって突然、「お待たせして申し訳ありませんって言って!」て私の目の前で別の店員さんが指示。言われた店員さんは一言も忘れまいと「おまたせしてもうしわけありませんでしたありがとうございましたまたおこしくださいませ!」

どの人も完璧に、きれいな言葉使いで接客と仕事をしていました。でも、私はその人たちを、接客して対話する「人」なんかなって疑問を持ちました。

マニュアルを完璧にすれば、丁寧さってできるんでしょうか。


自分の話をすれば、アルバイトのカフェは大阪のおばちゃんであふれています。忙しいと商品の入れ間違いもしでかします。そんな時、申し訳ありませんをひたすら繰り返すより、「間違ってお渡ししてしまいました!お急ぎでしたよね。混んでいましたので、僕も気づかなかったです。すぐに新しいのを作りますんで!」のように状況によって言います。怒り続ける人はいません。「忙しいねんなあ、ありがとう」なんて言われてカフェスタッフ名利につきることもあります。

そんな時に、私はマニュアルなんて忘れてしまいます。いつもざっくばらんに、良いことも悪いことも伝えてくれるおばちゃんに「そうしたい」と思って話しているからです。

マナー、マニュアル、対策。どれも大事だと思います。でも、ひとつの完璧な正しさなんてないとも思ってます。

以前、今村組で有名な今村克彦先生の話が忘れられません。
「ええか、想いが活動を生むんや。」


いつも目的を頭に描いて、動いていきたいです。
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# by walkie-talkie | 2008-04-24 22:23 | think / denken  

いや、貴重なメッセージです。

なるほどね。 「例えば、」ある作家は続けます。「足の不自由な人が電車に乗ってきたとする。それを見て、ぱっと座席のまんなかあたりに座ってた人がゆずるために席をたつ。降り口に近い人はその空いた席のほうににつめて降り口に一番近い端の席を、今しがた乗ってきた人が降りやすいようにゆずる。これが本当の優しさというものではありませぬか。」
その場の席を立ってゆずる=「親切」という一般的な信念をさらに超えた、「優しさ」、という意味にきこえてきます。

いつからかしら。トイレの扉をノックしないんです。取っ手をこう、がちゃがちゃとやる。しばらくして、がちゃがちゃがちゃ。あとで間違って空いてるかと思ったとでも言うつもりかしらん。
多くの人の、「伝え方」が変わったんですね。それが、今までの自分の「常識の地図」に反応したのかもしれません。

うん。朝日新聞の文化面。「学生に成熟期間を。大学3年生は学生が自分の考えを一番深める時。本当にいい人材を獲得しようとするなら、企業は早期からの採用活動を始めるべきではない。」うん、なるほどね。
「学生生活で一番うちこんだことは何ですか。」
学生生活はまだ続く。自分はどんな学生?そんなことを絵に見て、行動できる人を目指します。

SPI対策。エントリーシート対策。面接対策。グループディスカッション対策。教員採用試験対策に公務員試験対策。プレゼン対策。話し方対策。マナー対策。
不安を消すために「対策」をして、さらに何が手に入るかをイメージしたいですね。

「当店は分煙しております。」禁煙席のすぐ横の席を見るとそこから喫煙席。
けむたいですね。

両腕に荷物いっぱいかかえた人が道の真ん中でずでんとやったとする。荷物がちらばる。そばにいた人がそれを拾うのは、東京より大阪の人のほうが多いんですって。うふふ。
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# by walkie-talkie | 2008-03-02 21:33 | think / denken  

いつでも交換できます!

エルビン・ペルツィヒ いや実際のところ、人間の仕事ってのは何でも機械ができるんやで。ニュルンベルグでもうすぐ、初めて運転手がおらん地下鉄が開通するんや。

ドクター・ギューベル (いぶかしがって)運転手がおらん地下鉄??

ハルトムート (あいづち)ほほーん。

ペルツィヒ そう。無人いうやつや。乗務員がおらんくて、みなコンピュータがやってまういう。

ギューベル 理解できん。なんか不気味やのう。

ペルツィヒ 技術的には飛行機だってパイロットなしで飛ばせる時代や。

ギューベル そんなんにわしゃ乗らんぞ。

ハルトムート おれもじゃ。衝突でもしたらみなそろて死んでまう。

ペルツィヒ まあ、でも未来の話やんか。システムは絶対安全、技術力でなんでもできるってことやで。

ギューベル それやったらわしゃ車に乗る。

ハルトムート せや。それやったらまだ自由や。

ペルツィヒ まあ待て。ゼネラルモォタアいう会社は2018年にひとりでに運転する車を販売するねんで。

ハルトムート ひとりでに?どうやってやねん。全自動運転か何かかいな。

ペルツィヒ そうそう。カメラかなんかで測定して、目的地をセットしたらそれでもう家で使える。

ハルトムート (難しそうに)わからんな…。

ギューベル どうやらすごい信頼を置いてるようやな、その、技術力に。

ペルツィヒ そりゃもう。すごいことやないの。席に座ったらもう、読書も電話も寝るんも何か飲むんもなんでもできる。

ハルトムート それやったら電車でもできるがな。

ペルツィヒ ま実際そうやね。でも電車んなかではタバコ吸ったりできんやろ?車と違って…。

ハルトムート 車でもできんわ。いつか車んなかでもできんくなるわ。タバコも食べるんも飲むんもキスするんもみんな禁止になるんや、国民生活みな禁止、頭でっかちのくそおえらがたがそこらじゅうでそんなん決めて、今度はくそおえらい車がおれより上手に運転して、おれより頭ええんや。

ギューベル いや自動車はやっぱりお前さんより、その、頭いいとわしゃ思うけど…。

ハルトムート 何やと?

ギューベル いやまあ…。

ハルトムート おい、そんなんやったらもう車なんか必要あらへん、それだけや。

ペルツィヒ じゃあ、ずっと家におるってことかい。

ハルトムート そうや。ほんでおれの車だけひとりでに旅行に行かすってんかい。

ペルツィヒ まあ、悪くないかもねえ。これはほんまに、人類史上最高の進歩かもしれん。いつか車は渋滞知らずで走って、飛行機は衝突せずに飛びまわって、無人電車は一分も送れずに運行…。夢のようや。

ギューベル せやね。ほんでわしらは何をするんじゃ?

ペルツィヒ じぶんたちはついに我が家にいてゆっくりと腰掛けて、本を読んで、妻を愛し、子どもの頭をなでて…それで…

ハルトムート タバコを吸うんや。

ペルツィヒ その通り。

Erwin Pelzig und seine Freunde "Fahrerlose U-Bahn"


ニュルンベルグに世界初・全自動レストランがオープン
http://jp.youtube.com/watch?v=vzlgEc8bhiM&feature=related
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# by walkie-talkie | 2008-02-07 19:57 | エルビン・ペルツィヒと仲間たち  

宝くじ大当たり

エルビン・ペルツィヒ 0.00000071511パーセント。これが超幾何学的確立法によってはじき出した、宝くじで6桁ぴったり当たる確率やね。

ドクター・ギューベル そうかいな…それにしても…

ハルトムート 830億円て言ってるやんか。

ギューベル せや。言うてるやんか。

ペルツィヒ そんでも、0.00000071511パーセントの確率でっていう条件つきでだ。やからほんま狂ったように宝くじを買う人の気がしれん。

ギューベル もっと楽しまんとなあ。わしだって当てたぞ。

ペルツィヒ よりにもよってお前さんかいギューベル先生。理知の無知ってやつか…。

ハルムート おれだって10ユーロ分買って当てたわい。

ペルツィヒ なんて無駄な。0.000000…

ハルムート、ギューベル (こらえきれずに)はいはい…!もういいいわい頭でっかちが。

ペルツィヒ いやこれは頭でっかちの能書きと違うんやで。超幾何学的確率法によるれっきとした計算で、6桁ぴったり宝くじで当たる確率は、ちょうど悪天候で雷に打たれる確率と同じなんやから…。

ハルムート 雷なんかに打たれんのは昔からよう知ってることや。

ペルツィヒ そうつまり、れーてんれいれいれいれい…

ハルムート (重ねて)もうええて。それにおかしいわ。雷に打たれた人より宝くじに当たったいう人のほうがよう話きくわ。

ペルツィヒ そらそうでしょう。雷に打たれた人は話なんかできん。さらに言うと、宝くじ当選者がどんな話する?たいていお金でよけい不幸になったとか…。

ハルムート そうかい。おれぁ不幸になるんなら、雷に打たれるより宝くじ当てたいね。

ペルツィヒ そんなん簡単にはわからんよ。統計的に見たデータを知らんやろ。宝くじ運と雷の両方当たるってことだって…。

ギューベル そらいきすぎやて。ありえんやろう。

ペルツィヒ そんなこたない。宝くじで6桁当たる、かつ雷に打たれる確率は、統計的に言ってひとつしか当たらん場合よりそんな少なくはない。

ハルムート そんなんほんまに起こるんかいな。

ペルツィヒ アメリカで1回あったんやわ。宝くじで当たった人が、1週間後に雷にも当てられたっていう…。

ハルムート おうおうかわそうなやつめ…。

ギューベル 単に幸運と不幸を同時に拾ったんだな…。

ハルムート (同意して)むーん。

ペルツィヒ まあねえ。単純計算によるとその人は別になんにも変わってないことになる…。


Quelle: immer freitags, nur in Beyern 3
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# by walkie-talkie | 2008-02-05 15:52 | エルビン・ペルツィヒと仲間たち  

環境にやさしい競争

SEHEN, WAS MORGEN BEWEGT.

世界各国から集まった自動車の見本市がドイツのフランクフルトで開催されています。「明日を動かすモノを、その目で」と銘打たれた今回のモーターショーは、どのメーカーも「環境にやさしい」ことが最重要ポイント。しかし、車の本家ともいえるドイツは少し複雑な気持で今回を迎えているようです。

なんで。
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# by walkie-talkie | 2007-09-15 21:17 | Diary / Tagebuch  

本日づけで…

「首相、なぜ今のタイミングなんでしょうか!!」


「夕刊に間に合わせるためさ…。」
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# by walkie-talkie | 2007-09-12 14:36 | Diary / Tagebuch  

さようなら はじめまして。

1年ぶりの学校は

あんまり変わっていませんでした。

いつもの校舎、階段、教務課とか奨学金担当の人。

あ、図書館はちょっと工事中やったかな。

1年やけどやっぱなつかしいなあ。

でも、

大学の名前が書いた入り口の看板は

おろされていました。


「永久保存につき厳重保管!」張り紙1枚。

雨ざらしですやん。


さみしいなあ。。。



meine universität wird bald von uni osaka übernommen.

es ist ja ziehmlich schade, dass meine "mutteruni" jetzt verschwindet.

oh sollte ich das namenschild von meiner uni fotografieren oder wie??
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# by walkie-talkie | 2007-09-12 00:38 | Diary / Tagebuch  

先生のお言葉

帰国するちょっと前に、ドイツの先生が言っておりました。

「一度外国にきた人は、そこでもう『純日本人』ではなくなるんです。外国にいた期間、自分のなかで新しいアイデンティティーができあがります。だから、留学生はドイツに入ってまずカルチャーショックを受け、帰国してもさらにもう一回ショックを受けます。その人はもうもはや留学前の自分に戻ることはできないんです。」

ブランニューニッポン2日目。すでにびっくりすることが山のように。。。

なんか周りの物みんなちっちゃく感じる(洗面台使いにくいやん)。ケータイの変化がめざましい。そしてみんなそのケータイに必死。日本の食べ物もおいしすぎる(多種多様すばらしい!)。歩くんはやい(おれが遅いだけか。。)。大阪のおばちゃんはやっぱりインパクトでかい。髪やたら染めてる(かっこえーけどでもなんか不自然)。いろんなチェーン店の人の応対がロボットみたい(ドイツでめっちゃ無愛想な人もおるけど、お客さんにマニュアル以外の会話されててんぱったりはせんと思う)。テレビ番組は話してることそのままの字幕が画面にやたら出る(なんで?)。スーパーがまじきれい。ビールやっぱり高い。おしゃれさん多い。「どんだけー」をまだきかへん。

ええこともおもろいことも

いっぱいある刺激的な国です。
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# by walkie-talkie | 2007-09-01 20:49 | Diary / Tagebuch